教え方にもコツがある

幼児、児童、生徒の教育をメインに、自らの学びから、成長するために本当に大切なことは何かを考察していきます。

四月にこそ、読みたい書物

年度の始まりに向けて

4月は新年度のスタートです。

新たな子どもたちとの出逢いに胸を踊らせながら、その成長を最大限支援していくために、学級開き、授業開きの準備をしていく時期です。

教師にとって、一年の計は四月にあり、と言っても過言ではありません。

様々なアイデアを盛り込み、昨年度の学びと反省を生かし、準備に工夫を凝らしていく過程も、楽しいですよね(疲弊しきらないようにね)。

今回は、私が個人的に、「年度の始まりにこそ読むべきだ!」と感じている書物を三冊ご紹介致します。

 

神様とのおしゃべり さとうみつろう著

幸せな人生を送るために大切なことは何ですか?

教師の数だけ、その答えは存在し、そしてそのどれもがきっと正しいのだと思います。

学級経営の中で、授業経営の中で、それぞれの言葉でゆっくりと時間をかけて語っていくことでしょう。

その「幸せ」の概念が、深まる(広がる)一冊です。

特に、朝の会、帰りの会、学級通信、生徒指導や教育相談場面、学校行事、学期締め、学級締めなど、あらゆる場面で活用できる、心強い友となることでしょう。

私自身も、大いにインスパイアを受け、道徳の授業のスパイスとしても活用しました。

緻密な論理的構築の中で、「私たちはすでに幸せである」ことが証明されています。

論理的思考が好きな方なら楽しんで読めるはずです。

対になる書物として「悪魔とのおしゃべり」という本も出ていますので、興味があれば!

 

世界最高の学級経営 ハリーウォン著

「黄金の三日間」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

TOSSの向山洋一氏が提唱された言葉だと聞いたことがあります。

実際、TOSSでは学級開きの際の鉄則として扱われています。

ここでは、黄金の三日間の詳細については省略しますが、興味があれば検索してください。

(私はTOSS会員ではありませんが、この「鉄則」に関しては、その重要性を経験則的に強く認識してしています)

 

この「黄金の三日間」というのは、アメリカの教育に由来すると聞いたことがあります。

教育制度が大きく異なるアメリカではありますが、学級開きの力強い参考書となるはずです。

個人的な印象では、TOSSの黄金の三日間の根幹にある概念は「統率」です。

それに対して、この書物の中では、子どもに対しての敬意が常に土台にあります。

四月、その責任感の強さゆえ、ついつい抑圧的、管理的になってしまいがちな学級担任ですが、私はこの書物から、子どもに対してのリスペクトを持つことがいかに大切かを学びました。

私がこの書物を読んだことで子供たちと築けた関係は、互いに敬意を払いながらの信頼関係でした。

師弟関係ではなく、敬愛すべき存在として、同志として、子どもたちと歩んでゆくために、学ぶことが多き一冊です。

ちなみにこの本、世界で一番売れている教育書だそうです。

 

教えるということ 大村はま

言わずと知れた名著です。

「お前に紹介されずとも読んだことあるわい!」という方が多いことを承知で挙げさせて頂きました。

私がは毎年4月になると、必ずこの本を読みます。

一年間、子供たちと共に必死に学びを続けたことで、(自分に甘い私は)達成感や成就感に包まれ、ついついどこか傲慢になってしまうことがあります。

そんな慢心を戒め、初心に帰らせてくれる一冊です。

個人的には、

教室が検査室になっていませんか?

あなたは本当にそれを教えていますか?

という言葉に感銘を受けています。

どこまでも謙虚でいることは、真摯な生き方であると学んだ一冊です。

 

この本が名著と呼ばれる所以は、その内容が普遍性をもった真理を突いているだけではありません。

教育技術が上がったり、教育思想が磨かれたりすると、また違ったフェーズでの学びを与えてくれるという点も、秀逸です。

この大村はまさん自身が大変な勉強家であり、私たちが学ぶことで、違った視点からこの本の内容を読み解くことは、大村はまさんの研鑽のトレースでもあります。

子どもを可愛いと思ったことなどないと語るほどに自己研鑽と目の前の子供たちの成長に尽力された大村はまさんの生き様に、魂が震えます。

そして、これから出逢うであろうあなたの担当生徒への愛情を再確認することになるはずです。

教師なら、必読です。

 

 

さて、今回は以上の三冊をご紹介させて頂きました。

どれも有名な本ですから、「肩透かしをくらったよ!」という方も多いかもしれません。

まだまだ勉強不足の若輩が、自らの学びのアウトプットのために書いているブログであることをご理解頂き、ご容赦下さいね。

 

年度の始まり。

肩の力は入りすぎてはいませんか。

初日から飛ばし過ぎてはいませんか。

疲れ過ぎてはいませんか。

ぜひ、ご自愛いただき、一年間持続可能な良質の教育活動に取り組んで参りましょう。

令和二年度も、よろしくお願い致します。